シナリオ
全体を通して言えるのが爽やかそうなタイトルとは裏腹にドロドロした展開が多いです。
ヒロイン全員自虐的というかネガティブな思考なのでいろいろな所で修羅場が発生。
そして何より主人公がどうにもヒドイ。
「さくらシュトラッセ」のみーくんもまあアレな主人公でしたがそれ以上です。
鈍感、ヘタレ、優柔不断とダメ主人公属性のオンパレードで特に香奈恵ルート序盤とか殺意が沸きました。
ダメ主人公とネガティブ思考のヒロインが合わさるので三角関係や嫉妬などは当たり前のようにいろいろなルートで出てきます。


個別で一番良かったのは別格で香奈恵ルート。
途中、水希、なずな攻略前に何度、香奈恵に行こうかと思ったけど最後まで待って正解でした。
(まあ水希、なずなを残したらかなりその後のモチベが下がるような気がしたので・・・)
途中の展開、終わり方含めて普通に良い話だなーと思えました。
特にエピローグのCGは格別。

最初バッドエンド強制で経由した時は何かと思いましたが、ちゃんと意味があるわけで。
むしろあのバッドエンドがあるから、終盤の展開が良く見える。
祐也と香奈恵の成長がはっきり見えたのも良かったです。

絢音ルートで1番印象に残っているのは終盤のありえたかもしれない夢の世界ですかね。
あれは結構衝撃的でした。
そしてデレデレになった絢音が可愛いのですが、なずなの存在がかなりネック。
いたるところでなずなが絡んでくるのは正直キツイ。。

なずなルートは序盤の虎太郎関連のイベントが無理すぎ。
お前はいったい何様なんだと。
虎太郎が本当に格好良くいい奴だっただけに余計そう思う。
共通、絢音ルートときて好感度ダダ下がりだったのがここでさらに下がりました。

ただ、キャラと序盤の展開以外のシナリオはまずまず良い感じ。
実の兄妹での恋愛をすんなり全員が祝福してくれるわけでもないし、水希のブチキレも必見。
ただ、呪い関係が途中に入り兄妹の恋愛部分が流されたせいで親への説明が無いのが気になりますが、後夜祭がかなり良かったです。
・・・これでキャラさえ好きになれれば泣けたかも知れないのになあ。。。

水希ルートは序盤のキャラ崩壊レベルのデレデレっぷりは良かったが、その後がどうにも中途半端。
というか、こういう本当は好きなんだけど・・・っていうシナリオが好きじゃないうえ、祐也も水希も後ろ向き過ぎてダラダラ続くのが本当しんどい。
さらに個人的なことを言えばみずきはエピローグに出ない方が良かったかな。

シナリオ個人的評価
香奈恵>>>>絢音>なずな>水希

システム
選択肢のみの分岐ですが通常の共通から各個別へ分岐という方式ではなく
1人ずつ特定の箇所で分岐選択肢が表示されるフラグへし折り形式。
2011年作品で言えば「穢翼のユースティア」と同じ。
4話で絢音、6話で水希、8話でなずな、香奈恵に分岐できます。
香奈恵のみ初回は必ずバッドエンドでその後タイトルからもう1つの個別ルートに入れます。

演出面は相変わらずの高品質。
他でも使っているところは増えているとは言え、やはり後ろ立ち絵の自然さはぱれっとらしい。
音楽
OP、EDに加え各ルートにそれぞれ専用の挿入歌があり、ボーカル曲は全6曲の豪華仕様。
ボーカルは「WHITE-LIPS」さん。
OP曲の「花束」はかなりの良曲。
だがOP以外は普通、特に挿入歌はもう少し印象に残って欲しかった。

BGMは全29曲
過去作に近い雰囲気の曲も多く、もしらばBGMのアレンジ曲などもありました。
お気に入り曲は「花束」「春一番東風」「温泉前線通過中」「逆さ虹を見上げて」「命を懸けて 〜晴れ天Ver.〜」
個人的キャラクター感想
稲乃神 香奈恵
いろいろ低スペックな神様ですが、そこがまた可愛い。
あまりに一途過ぎて共通の段階で何度香奈恵ルートに行きそうになったか・・・
そしてエロ神。
山上 絢音
クールな感じは序盤だけ、4話からデレデレの絢音。
一緒に寝ているCGが羊共々可愛すぎてヤバイ。
4話の流れのまま最初に個別入っちゃうのは管理人だけじゃないはず。
そしてやはりエロ神。
佐倉 水希
世話焼き幼なじみの水希。
個別のキャラが変わったかのようなデレデレ振りには驚いたが、正直それまでのイメージが良くなかった。
あと1番黒いというか人間的な部分が出てたヒロインだと思う。
香奈恵への縁結びしかりなずなルートでのブチギレしかり。
あと和食狂信者ぶりも受け入れられなかった。
これはエピローグでどうしてそうなのかと理由はわかるけど、それでも理由が理由だけになんとも。
春日井 なずな
今作の問題児である妹のなずな。
まあ祐也や水希がなずなに過保護に接するのは判る。
けど、その状態を当たり前に感じているのがダメだ。
これはなずな自身のルートにも関わる事なのでそうだと割り切るしかないとは思うけど。
そのうえ共通、他ヒロインの個別問わずいろいろ絡んでくるので正直好きになれないと鬱陶しいことこの上ないです。
4話でなずなと絢音のやり取りが結構微笑ましくて良いなーと思ったけどそれがまさか絢音ルートまでずっと続くとは。。。
総評
相変わらず万人受けしそうな話っぽく見えて万人受けしづらそうな作品。
絵とか音楽は相変わらず高水準ですね。

「晴れときどきお天気雨」というタイトルとは裏腹に結構後ろ向きでクセの強いヒロイン揃い。
「お天気雨」は香奈恵(あと稲乃神)にかかっているのはわかるが、その前は「晴れ」では無く「大嵐」でしょというくらい爽やかさが無い。
しかしネガティブ思考なヒロインだからこそのシナリオというのもあるのでこれはこれでありだとは思うけど。
(主人公はもうちょい頑張って欲しかったが・・・)
過去作やっている人はある程度わかるだろうけど、ただの萌えゲーではないので
最近に多いヒロインとイチャイチャ多めな萌えゲーを期待している人は要注意。
体験版の範囲では判りづらいのがまた厄介ですが。。。

どのルートもハッピーエンドだが香奈恵のラストまで行ければ単純に良かったなあと思える作品でした。
シナリオ:14 システム:15 キャラ:13 CG:17 サウンド:15  74点 B+レベル  
お気に入りキャラ:稲乃神 香奈恵 ダメな子ほど可愛いを地でいく神様

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