シナリオ

全体を通して日常シーンが非常に多くて長め、また1日の基本的な流れもさほど大きく変動しないが
ヒロインとの他愛の無い会話ややり取りが面白いので分量のわりにはサクサク進んでいる印象でした。
今作の中心ともなるべき部分なのでここをどう感じるかでこの作品の評価も変わるのではないかと。


個別ルートで一番良かったのは乙女ルート。
悪霊の正体もわかる過去編が途中で入ったりと話の流れも良かったです。
過去編も九条家や乙女の能力の由来などが描かれており入り方は突然だったけど面白いシナリオでした。
(過去編に兄妹で結婚するまでの葛藤が殆ど無かったのが少し驚きでしたがw)
ただ、かぐやの存在が曖昧なままだったのがちょっと気になる所。
ルシアルートでも特に正体が明かされる事も無かったので結局はっきりとは分からなかったのが少し残念。
悪霊などはもとより天使や悪魔まで出てくる世界なので正直何でもありだとは思うけど
過去編のメインとも言える非常に重要なキャラだったのでもう少し深く掘り下げて欲しかったかな。

ルシアルートは今作の最後になるルートだけど予想の斜め上を行く展開でしたね。
今まで殆ど語られなかったルシアの家族周りについての話ですがそこからまさか悪魔との対決になるとは。。。
直前が乙女ルートでどちらかと言うと和寄りの話だっただけにギャップが結構ありました。
しかし展開自体は唐突でしたが話自体は結構面白かったです、ノエルも普通に怖かったし・・・
あと山場を越えた後、ラスト間際のルシアが可愛いのが大きくプラス。

時雨ルートは殺人事件の真相や犯人を追っていくのがメインにありつつも 学園祭などがあったりして
恋愛要素が比較的アッサリしている今作の中では一番普通の恋愛物っぽい感じ。
EDの写真やエピローグなど終盤が一番好きなのはこのルートですね。

小菜ルートは最初の山場であるこのみ関連の話は良かったけど、終わり方がどうにも。。
あれはハッピーエンドなのかなあ?
ハッピーエンドにしろそうでないにしろ若干中途半端な感じがする終わり方ではあった。
というか小菜はどこかで死なないルートが欲しかったな・・・
OPムービーの砂時計とか薫の未来視があるからてっきり最後のルートくらいは殺されるのを回避できるのかと思いきや別にそんなことも無く。。。
未来視が本当に見るだけで何の役にも立たない能力だとは思わなかったわ。
まあ乙女、ルシアルートでもそうだけど基本薫ってあまり役に立ってないよね。。
能力的に落ちこぼれと言われている乙女の方がルシアルートなんかでは活躍してたし。
もう少し未来視を活かしても良かったのではないかなと思いました。

シナリオ個人的評価
乙女>ルシア>時雨>小菜

システム
分岐は選択肢のみ。
攻略自体は簡単ですが
攻略順に制限がかかっており最初は時雨、小菜のみ攻略可能
その後乙女→ルシアの順でルートが開放されていきます。
冬月姉妹が最初なのは良いとしても乙女とルシアは逆の方が良かったかなあ。

また今作では常時主人公が現在、町の何処にいるかがわかる地図が表示できますがそれに合わせたシステムとしてATSという機能があります。
まあ単純に言えば同時刻でヒロインたちが何をしていたのかが分かる別視点のシナリオですが
そこそこに数があり主人公視点だけではカバーしきれない部分まで描いていたのは好印象です。

システム面も特に不足無く快適でした。
音楽
OP、ED共に「fripSide」
とにかくOP曲が格好良くムービーも非常に良い感じです。
ED曲もなかなか良い曲でボーカル曲はどちらもクオリティが高いです。

BGM曲数は33曲。
シナリオが長いだけあり、曲数は多め。
幅広くありますがやはり日常系の曲が目立ちます。
お気に入り曲は「fortuna on the Sixteenth night」「With the light」「twilight」「night」
「living room」「familiar life」「cheerful shigure」「十六夜」
個人的キャラクター感想
汐宮 ルシア
ルシアは最初から最後まで良い子すぎてヤバイですね。
特に自身のルート終盤の恋人になった前後の破壊力は凄まじい。
しかし恋人になるのが殆どED直前のためその辺りが短いのが非常に惜しい・・・
もっと恋人になった後の展開があるとなお良かったな。
九条 乙女
一途で真っ直ぐな乙女。
ウザ可愛いと言うよりは若干ウザイ寄りな感じだったかな。
まあ嫌いというほどでは全然ないですがね。
冬月 時雨
時雨はかなり長い期間薫への当たりが強いので結構好みが分かれそうなキャラじゃないかなと。
(ギャップの破壊力が半端無いので人気投票はある意味安定の1位でしたが苦手な人はかなり苦手そう)
これを可愛いと見えるまで慣れてくれば結構可愛いキャラですよ。
自身のルートはもちろんですが小菜ルートでも終盤は良い立ち位置に居るキャラでした。
冬月 小菜
幽霊でも明るく元気?な小菜もかなり可愛かったです。
ただそれだけにもっとわかりやすいハッピーエンドが欲しかったし生きている状態での時雨との掛け合いも見たかった。。。
総評
いやー思っていた以上にボリュームがありましたね。
ここまで丁寧に色々描かれているとは良い意味で予想外でした。

前作からは考えられない位のクオリティになって驚きです。
日常までもがとにかく丁寧でボリュームたっぷり、ちょっと方向性がバラケていた気はするけど満足出来る作品でした。

ただ、いっそ一般作品でも良かったんじゃ思えるほどエロが薄いのは残念な点。
4人で5シーンしかないという事で察してください。
エロ方面だけではなく恋愛方面全般がシナリオの長さの割には薄く短いと言うのがやはりちょっと勿体無かったですね。
いくつか明かされていない謎もありますしそれらの回収や各ヒロインとの後日談なんかももっと見たいです。

とにかく展開がゆっくりで先が長いのでじっくりプレイする事をオススメ。
大体の雰囲気は体験版で味わえ、日常は殆ど同じ感じで進むので体験版で合う合わないを確かめてみるのも良いと思います。
(まあ体験版は共通の半分程度ですが、ゆっくりやると大体6時間程度かかるくらい長いですがw)
シナリオ:17 システム:16 キャラ:16 CG:18 サウンド:16  83点 A+レベル  
お気に入りキャラ:汐宮 ルシア ルシアさんマジ天使

作品情報
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パッケージ画像
※クリックで拡大します
発売日
2013-11-29
メーカーHP
lapislazuli

 

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