シナリオ
全8話+インタールードが4つ。
その中で個別は7話の半分程度と8話。
もちろん1話1話の長さは同じではないがそれでも共通の長さに比べると個別は短め。
これは他メーカーでも同じ感じなのでこのライターさんの特徴かな。

ただ、スキップ系含めシステムが充実しているので2周目以降も快適ではあります。

シナリオ的にはやや回りくどかったり結構メチャクチャな感じだけど夢の中と言う事でそれがあまり気にならない感じ。
細かい事は夢だからで済ませられるし。
そういう意味では夢だからとある程度流せる人向きのシナリオ。
夢と現実の境がどんどん曖昧になっていく所とか先が気になる展開が多く非常に楽しめました。
中盤にはクリスマスや年越しなどもあり、延期しないで本来の発売日に発売されていたら色々重なってなお良かったのに・・・

テーマになっている不思議の国のアリスの話を知っていると登場人物がなんの役割になっているか分かりより楽しめるかも。
後はピーターパンといばら姫もちょっと絡んでくるかな。

個別で一番良かったのはやはり有栖Trueかな。
今までのルートの根底が覆る展開だとか終わりが本当にハッピーエンドなのか?とか色々あるけど盛り上がりは抜群。

中でも終盤の透と舞亜が同じように笑っているCGはバックに流れる「幸福の残滓」や舞亜の登場の仕方も相まって今作でもトップレベルの名シーンです。

一応ルートロックで2周目からしか攻略できないけれど、シナリオ内容が全員攻略済み前提になっているのでラスト推奨。

咲ルートは幼なじみで舞亜とも関わりが深いため、他ルートに比べると舞亜に関わるシーンが多め。
ただ昔の3人でいた頃の事はもう少し細かくあっても良かったかな。
またこのルートのみ4シーン目がエピローグの後、直接おまけに追加されるのですが普通ならさほど珍しくも無いこの演出が今作だと結構意味深だったりしますね。

弥生ルートは全てがうまくいく格好良い終わり方じゃないけど、あの二人らしいと言えばらしい終わり方だったなあと。

景子ルートは告白に対するちゃんとした返事の描写が無かったのがちょい不満。
てっきりエピローグに入れてくると思ったんだけどなあ。。

また弥生と景子ルートは色々な点で対になっているルートでもありましたね。
夢での立ち位置もそうだし弥生ルートでは景子が、景子では弥生がそれぞれ活躍するというのもそうですね。

舞亜ルートは殆どバッドエンドに近い形で個別もかなり短め。
設定的にもあれ以上の話にするのは難しいのは分かるけど、ちょっとあれだと寂しいか。
終わり方としてはなかなか切なくて良いんだけどね。


ここからちょっとネタバレ

有栖Trueでも出てくる通り、今作の全シナリオは殆どが有子の夢という形だが結局何処までが夢で何処からが現実なのかというのが非常に気になる点。

考えたのは下記4パターン。

1、有子エピローグが現実でそれ以外の全ルートはエピローグ込みで全て夢
2、有子エピローグと各ルートのエピローグは全て現実
3、有子エピローグはまだ夢で各ルートのエピローグは全て現実
4、有子エピローグ含め全ルート夢の中

まず1はシナリオをそのまま読んだ場合で最後の有子のエピローグのみが現実でそれ以外の各ルートは全て繰り返される夢という解釈。
一番シナリオに沿ってるけどコレだと他ルートがハッピーエンドどころか実質1ルートしかないことになるんだよねえ。。

2は夢から覚めた未来があるかもしれないといった台詞があったのと
咲ルートのみエピローグ後にシーンが追加されているという事でエピローグのみが全て現実であるという解釈。
どのルートも目が覚めた時の時期が描写されていないので、はっきり分からないのがもどかしいがこれが一番有力な気がする。
どれか1つでも目が覚めたら冬ではなく秋というのがあれば完璧だったのだがそういった描写は無いので完璧とは言えないですが。

3は有子エピローグのみが実は現実ではなく夢であるという解釈。
理由としては最後のCGのオッドアイと有栖のリボン。
夢が現実にあそこまで影響を与えたとも考えられなくは無いけど、あれはまだ有子が見ている夢の中なんじゃないかと。
個人的にはこれが一番しっくり来てます。

4は今までの事は全て夢、そして有子の夢も終わっておらず続くという解釈。
可能性としては無くもないかなあと。

結局のところ明確な答えが無いのでどれも想像でしかないけどね。
とまあ終わってからこんな事を考えてみましたとさ。

シナリオ個人的評価
有栖>咲>景子=弥生>舞亜

システム
選択肢のみの分岐。
基本的に目当てのヒロインの選択肢を追っていけば良いので比較的簡単。
唯一の弥生ルート以外に行く際、3話で「我慢できない」を選択して部長のシーンを見てしまうと8話に行けずバッドエンドになるので注意。
ただバッドエンドにもCGはあるのでどこかで1回見る必要はありますが・・・
攻略制限は有栖のみ2周目から選択肢が追加され攻略可能に。
ただシナリオ内容的にラストにした方が良いですね。

システム面は
相変わらずとても細かい所まで設定できる仕様が健在でプレイは快適。
選択肢スキップはもちろん、バッグログからのジャンプ、通過した話への1話単位のジャンプ
さらには中断終了で次回起動するといきなり終了した画面から開始できる等々充実。
もちろんお馴染みのタイトル画面で流れるキャラ紹介ムービーも健在です。


個人的にこのメーカーの作品のシステム、演出で一番好きなのはおまけ画面で流れる音楽が好きな曲で固定できる事だったり。
おまけを開くたびに好きな曲が流れるのは地味に気に入っています。
音楽
OPはお馴染みの「橋本みゆき」さん、EDは「浅葉リオ」さん
ボーカル曲はどちらも作品の雰囲気に合わせて今までとは違い暗めの曲なのが印象的。

BGM曲数は30曲。
シナリオの展開同様、幅広く曲が用意されており、なかなか良い曲もありました。
お気に入り曲は「 愛すべきDeja vu」「Strange sister?」「Behind-the-scenes heroine」「迫りくる障壁」「微睡みの朝」「幸福の残滓」
個人的キャラクター感想
鳥海 有栖
クセの強いヒロインが多い今作の中で素直で純真な良い子。
まあ有子の理想の姿という事もあるけど有子よりは有栖の方が好きかな。
有子はボクっ娘なのがどうも・・・
蓮乃 咲
今作で一番好きなのはやはり幼なじみで妹な咲かな。
やはりヒロインの中で一番近い存在というのは大きい。
幼なじみであり妹であるという所にちゃんと理由もあるしね。
色々あって今の少しドS気味になった咲も良いけど、昔の咲のまま成長した所も見たかった。

それにしても舞台が夢の中なので比較的やりたい放題とは言え普通に刀とか使え銃とかブッパする咲はもちろん
景子も護身術をマスターしているなど後輩組が武闘派すぎる・・・
弥生 B ルートウィッジ
自分のルート以外では何だかんだと頼れる先輩。
自分のルートではやりたい放題ですがこういう色々メンドクサイ人は結構好きだったり。
昔のやさぐれている先輩もなかなか好きですよ。
平坂 景子
懐いてくると可愛い景子。
他のヒロインに比べると好きになっていく描写が弱かったか。
ただ意外にも一番エロかったですね
内藤 舞亜
お兄ちゃん大好きな妹の舞亜
お兄ちゃんの困っている顔見るのが好きなドSでやっている事はアレだから分かりにくいけど最初から最後まで一貫して透の味方で助けてくれていたんだよな。
ある意味今作で一番の被害者。
それだけにEDの切なさがより際立つ。。。
しょうがないとは言え立ち位置的に不遇なのと個別が殆ど無いに等しいのがちょっと残念。
総評
原画やライター的に大きく外れる事は無いだろうとは思っていたが全体を通して充分以上に楽しめました。
ただ作品の雰囲気にクセがありテキストも回りくどい部分が多いので好みの分かれる作品ではあるかなと。
特に大半が夢の中という事もあり場面の切り替わりが多く、その上様々な所で繋がりがあるためじっくりと読んでいく事をオススメです。


・・・そう言えばげっちゅ屋HPで使われているサンプルCGのうち使われていないのがいくつもあるのは何でだろう。。。
特にSD絵2枚も使われていないとは勿体無い・・・
シナリオ:17 システム:18 キャラ:17 CG:17 サウンド:15  84点 A+レベル  
お気に入りキャラ:蓮乃 咲 歪んだ形であるにしろ幼なじみで妹とは非常に良いものだ

作品情報
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パッケージ画像
※クリックで拡大します

発売日
2013-02-28
メーカーHP
パープルソフトウェア

 

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