シナリオ
あやかルートは今作で1番良いというかマシなルートだったかな。
妹探しが直接関係しないルートが1番マシというのも皮肉なものだが・・・

あやかとの半同居生活を経て恋人同士になるまでの過程も自然で良いし
何より妹探しがメインでは無いため他ルートでは基本的に自分優先で動いていた雪人があやかを助けるためにまともに行動するのが大きい。
他ルートでもこのくらい他の人の気持ちを考えて行動できればね。。。
あやかの兄貴という露骨に嫌なキャラが居たのも雪人が良く見える原因だったかもしれない。

美優樹ルートは中盤くらいまでは悪くない、特に親善大使コンテストでの告白はベタながらも良い感じでした。

ただ、後半美優樹が本当の妹だとわかってからが短すぎる。
恋人が実の兄妹だとわかってからの葛藤があまりにも少ない。。
実の兄妹で恋人?何か問題でも?というヒロインならともかく普通以上の倫理観を持っている美優樹なのだから
そのことで思い悩む描写はもっと必要だったと思うのだが・・・
あまりにもあっさりEDになってしまったのでかなり拍子抜けでした。
EDも俺たちの妹探しはこれからだ!って感じで終わっちゃうし。。むしろこのED後から真結希ルートはじめた方が自然な気すらするよ。
ミータとの二股EDがあるなら美優樹、真結希でEDがあっても良いのではと思っちゃう。

あとこのルートでは誰が本当の妹かというのが全て分かるけど真結希にルートロックかけるなら美優樹にもロックかけて欲しかった。。。
先に美優樹ルートやって妹が美幸と真幸って分かっちゃうと
その後のあやかや千毬ルートで実は妹かも?って言われても違うって分かっちゃってるので盛り上がりが半減しちゃうんだよね。

千毬ルートは千毬のウザさが他以上に目に付くシナリオ。
雪人も千毬も互いの気持ちを考えるようなキャラではないためただお互いに突っ走っている印象しか残らない。
さらに高階夫妻の存在が唐突かつ謎過ぎる。
なぜ15年も実験地区に隠れていたのか?そして現在は何をしているか?
15年前の災害に関与していたというのはまあ分かるのだが、結局そのあたりは全く分からないままEDになるため一家団欒風のCGを見せられてもスッキリしない。


で最後に問題の真結希・ミータルートですが、正直突っ込みどころだらけ。
ルートロックまでかかっているのだから今までばら撒いていた伏線を回収するかと思いきや別にそんなことは無かった。

ルート序盤は美優樹ルートをなぞった形になっており、中盤からミータがメイン
ミータがいなくなってからは真結希がメインになり最後は真結希とミータの2人というまあ何かおかしいシナリオ構成。

序盤はミータよりも美優樹のほうがルートヒロインに見えるくらいです。
ミータから真結希に繋ぐのだったらもっと最初の方からミータをメインにした方が良かったと思うのだが。

さらに美優樹のフラグを跡形も無いほどにへし折ったり、全体的に美優樹の扱いが可哀想ですが
何よりも正直1番おかしいと思ったのは機能停止したミータが何事も無いかのように帰ってきたこと。

これがミータの単独ルートで機能停止したミータがEDないしエピローグで戻ってきたというのなら ご都合主義だけどハッピーエンドでいいよね!
ってなるけど、シナリオの途中しかも何の前触れもなく戻ってこられても(;゚д゚)ポカーンとしかなりませんよ。

しかも、これは後で触れますが何で戻ってこれたのかが最後まで不明確なうえ
死んだ(ようなもの)恋人の影を重ねてはいるけど真結希を見始めた矢先にこれでは
ただミータと真結希の間で雪人を悩ませるためだけに戻されたようにしか見えないわけで。

でその後は何だか分からないまま真結希の中からナノマシンが無くなり健康になって最後は二股EDでしたともう何が何だか・・・
それぞれに単独のEDがあった上での二股EDならまだ分かる、だがミータ、真結希はこれしかEDが無いのは正直頂けないなあ。

いっそのこと発売まで真結希は情報を伏せといた方がプレイヤー的にもサプライズになって良かった気がする。
まあ初動が全てなエロゲー業界では情報を出すのは販促的には正しいんだろうけどね。


全員クリア後はそれぞれのアフターが開放されるがこれがまた何と言うか・・・薄すぎる内容といいもう少し何とかならなかったのかと。

ちなみにどのアフターも共通設定として
美幸、真幸が本当の妹というのが判明しており真幸も見つかっている
さらに真幸は自由に動けるほどではないが普通に寮で生活できる程度には回復しているという状態。
・・・流石にいろいろ端折りすぎだろ

美幸アフター

美幸とお風呂でイチャイチャしてたら真幸に見つかりそうになりましたというただそれだけの話。
美幸は自身のルートで真幸が見つかるまでは恋人関係は封印と言っていたが
真幸が見つかっている現在どうしているのか?真幸には隠しているのか?折角のアフターなのだからそういうのがもっと知りたかった。

真幸アフター

名前は真幸アフターですが出るのはミータのみ。もうミータアフターにすればいいのに・・・
一応ここで申し訳程度に伏線を回収しているが、まだまだ謎だらけです。

あやかアフター

シナリオがマシだったせいかアフターも普通。
あやかと美幸とは元々友達同士だったし真幸との仲も良さそうで非常に良い感じ。

千毬アフター

美幸と真幸のエロに対する反応の違いを楽しむ話wえ?違う?


次に主人公の雪人についてちょっと。

各方面でバカだ屑だ言われている主人公ですが個人的な意見としては真結希・ミータルート以外はそこまで気にならなかったかな。
流石に真結希・ミータルートは擁護できないけど。。
ただ天然=無知というわけでは無いんだけどねえ・・・
全体的にそこを何か勘違いしてる気がする。

一番気になったのは分からないことを分かろうと考えたり努力しない事。
この主人公基本的に分からない事は分からないで終わらせる事が多々。
全編様々な場面でそれは感じられますが最もそれを感じたのは美幸アフター。
真幸との連絡用に携帯を持っているのに3ヶ月経っても良くわからないからという理由で美幸にメールの返信を打たせる始末。
あれだけ探していた妹、しかもある程度治っているとは言え普通よりも連絡の必要性がある相手との連絡用なのに未だに分からないで済ませるのはどうよ。

ラストに結局最後まではっきりとわからなかった事をずらずらと。

1、15年前の災害について
当然天災なのではなく自然制御実験による人災・・・だとは思うけどハッキリした事は結局不明。

2、高階夫妻が15年行っていたこと
15年も引きこもり何をしていたのか?
15年前の実験に神志那夫妻と共に参加しており実験を強行した側だとは思うけど結局その後何をしていたのかは不明。

3、機能停止後のミータを連れ去り修理したのは誰か?
特殊な部品を多数使用しており修理が出来ないと製作者に言わせているのに何事も無いかのように修理したのは誰か?
さらにナノマシン制御装置を入れた理由とは?
さらに最初は追っ手が居たのに途中からまったく追っ手がいなくなったのも不自然。

4、真幸のナノマシンが止まった理由
ミータとのキスで活性化、これはまだいい。最後はどうして止まったのか?
真幸アフターでちょっと説明はあるがあれだけじゃ分からんね。

5、慰霊祭の雪を筆頭にミータ復活後異常気象が頻発した原因
慰霊祭でミータが戻ってきた時に雪が降ってきたのを皮切りに以降異常気象が頻発しているがなぜか?

自然制御実験は秘密裏に継続しておりミータのナノマシン制御装置が関係しているとか?
そうなると連れ去り修理したのは高階夫妻が怪しく感じるか?
15年も人目につかず地下で生活できているのだからそれなりの協力者が居てもおかしくないし
実験を継続していたのならナノマシンの制御装置を操れるとして高性能なミータに目をつけたのもおかしくは無い・・・という妄想。
でもそうなるとミータルートで生存者として発見された後になるしなあ・・・うーん。

流石にこまけぇこたぁいいんだよ!!で流すには数が多すぎるしプレイヤーが補完するにしても情報が足り無すぎる。
回収する気が無いのならあまり色々な設定を放り投げないで欲しかった。


シナリオ個人的評価
あやか>美優樹>真結希・ミータ>千毬

システム
分岐はマップ移動のみ。
目当てのヒロインが居る場所を数回選択するだけなので攻略は簡単。
選択肢もほんの少しありますが特に攻略には関係ありません。
CGはありませんが、理事長EDことバッドエンドもあるので気になる人は見て見るのも良いかと。
攻略制限は真結希・ミータのみ。
他の3人を攻略後にルートが開放されマップ選択にミータが出現、他ヒロインとは違い1回の選択でルート確定します。

システム面はごく普通。
強調したいテキストを赤字で表示しているのが特徴的と言えば特徴的か。
音楽
OP、ED共に「Duca」さん。
ボーカル曲はどちらも良い曲。
特にOP曲「いろんなカタチ」は名曲。

BGM曲数は23曲。
若干曲数は少な目ですが「光と水の楽園」「ゴールはすぐそこに」の2曲はとても印象に残りました。
お気に入り曲は「いろんなカタチ」「ツナグミライ」「DAYS」「光と水の楽園」「ゴールはすぐそこに」
個人的キャラクター感想
瀬名 美優樹(神志那 美幸)
もう最初から幸人へ好意を向け続ける美幸が可愛すぎるし良い子過ぎる。
恋人としても妹としても良いです。
それゆえに真幸ルートでの扱いが不遇すぎて可哀想になってきた。。。
もう実家帰っても良かったのよ。。
ミータ
不遇のメインヒロインミータ。
「フフリ」と「あるないです」が頭から離れませんw
最初からその独特のキャラで人気も出ただろうになぜ単独ルートが無かったのか。。。
非常に勿体無い。。
澄稀 あやか(神巫 あやか)
デレだすと可愛いあやか。
まあツンツンしている時間は殆ど無かったですが。
最初の印象とは異なり素直なすごく良い子でした。
美馬 千毬(高階 ちまり)
義妹の千毬。
人によってはウザ可愛いとなるのでしょうが・・・
ゴメンナサイ、ハッキリ言ってウザイとしか感じませんでした。。
基本的にアホの子なので幸人と並ぶともう収集がつかないことに・・・
清宮 真結希(神志那 真幸)
もう1人の妹真幸。
美幸への明確な嫉妬が見え隠れする中ミータの代わりに見られていることを分かった上で
むしろそれを利用し自分の身体を使ってまで幸人に迫るというやや歪んだ性格で美幸とは対照的な子です。
まあ15年もあんな生活して真っ直ぐな性格になるとは思えないよね。
ただ個人的にはこういう子結構好きです。
どうせなら美幸と真幸で幸人を取りあうという爛れた兄妹生活もちょっと見たかったり。
総評
というわけで良くも悪くも印象には残りました。

散々色々な所で言われているので知れ渡っているとは思いますが
メインヒロインとして2番目に紹介されていてもミータには単独ルート、EDはありません。
同様に真結希も単独ルート、EDがありません。
この2人が好きな人はまずそれをプレイ前に頭に入れて置いた方が良いです。


結局キャラゲーとして見るとイチャラブ分が足りず。
妹ゲーとして見ると妹、特に実妹関連の描写が薄く。
シナリオゲーとして見ると回収されない設定が多すぎて背景が分かりづらい。
さらに主人公がかなりの天然で暴走キャラなので体験版である程度合う合わないを確認した方が良いかと。
そういう意図ではなくてもこの主人公だと年下の女の子なら誰でも妹なんじゃないかとすら思わせる始末。


結局色々なものを詰め込みすぎて結果どれも中途半端になった感じ。
CGも綺麗ですしヒロイン勢(千毬以外)はかなり良い感じだったしシナリオも中盤くらいまではどのルートも悪くないんです。
それぞれのイモウトノカタチというのを見せたいというのは伝わってきました。
ただそれだけに後半のシナリオがともう少しちゃんとしていれば。。
素材は良かっただけにいろいろと勿体無かった作品です。
シナリオ:12 システム:13 キャラ:17 CG:16 サウンド:15  73点 B+レベル  
お気に入りキャラ

瀬名 美優樹:最初から頼れるパートナー

清宮 真結希:ある意味とても一途な妹


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