シナリオ
シナリオ個人的評価
かのこ>三澄>>つばさ>汐路

千里が無い理由はシナリオ単体として見た場合はとても良いのですが、作品の雰囲気に全く合っておらず最高にも最低にもなるからです。

というわけでまずは千里ルートから。
正直今作の中ではかなり異質なルートだと思います。
発売前にこんな展開になることを想像できた人はいないでしょう。

ただ上述通りシナリオとしてはとても良い話です。
共通から伏線を張り重い展開ながらも未来につなげる良い終わり方ですし
途中の展開も千里の症状と真面目に向き合っており他のルートとは一線を画す出来。
正直泣けます。

共通の段階から千里がどういう状態なのかがちゃんと表現されている構成なのがまた何とも言えない所。
画面上で言えば千里視点での色使い。校舎前など夕焼けで分かりづらいけど見比べると一目瞭然。
テキストで言えば合宿前の水着選びで原色を中心に選んでいる事など
ただこの段階では前情報を知っている人とかよっぽどの捻くれ者でないとわからないでしょう。
最も分かりやすいのが共通09MAP移動での千里視点。
校舎前もそうだったけど主に緑がかなり判別しにくいのが分かります。
部室が表示された段階で薄々そんな気はしてましたが、でもHOOKだから最後は何だかんだと何とかなるんだろうなあ・・・
と思っていましたが、さらに症状が重くなる展開などは色々衝撃でした。

ただこの話を今作でやる必要性は皆無だったと個人的には思います。
別にHOOKだからと言うわけでなく、作品中半分以上のルートが真面目な話を展開するルートであるなら分かるけど
他の全ルートが悪く言えば緩い展開なのに1つだけこんな真面目でテーマにも反した重いルートを入れても浮くし違和感しか残らないです。
そのうえ千里の境遇を知ってしまうと他ルートに行きづらくなるというこの手の作品では致命的な欠点にすらなるかと。
普通にちょっと依存気味な千里とイチャイチャするだけで良かったと思うし、作品紹介を見る限りそれが今作に求められていた事だったのではないでしょうか。

千里ルート以外と共通部分は過去作の雰囲気に近く、今作のテーマでもある「くせになりそうなしあわせ」が味わえるルートばかりです。

共通部分では文化部棟で唯一の男子と言う事もあり、皆に頼られたり好意的に想われたりとニヤニヤ出来る展開。
PITでの羨ましい発言も相まって優越感に浸れます。

千里以外の個別で一番好きなのはかのこルート。
半分同棲生活なイチャイチャ振り、かのこが好きになった理由、夢をかなえたエピローグとどれをとっても安心できる良いルートです。

三澄ルートは予想とは裏腹にギャグルート。
主にトッキーとR子氏のせいですけどw
しかし最後はちょっと良い話で纏められており綺麗な終わり方です。

つばさルートは正直つばさよりも花蓮の方が可愛く感じた時点でもう。
最後のミスコンはベタながらも良かったですが。

汐路ルートは途中までの展開はともかく最後に汐路ではなく唐突に参宮家の問題を持ってきた所が若干疑問。
結局その後、あのクソ親父含めどうなったのかも曖昧だし・・・
さらに言えば最後の勝負はベタでもいいから手芸部全員参加でPITなどもフル活用すればもっと盛り上がったと思うのに勿体無い。
ああいう大人数が絡むイベントでこそ掲示板のやり取りは輝くと思うのだが。
まあこのルートで一番印象に残っているのはしりとりとダウトで皆に弄られているかのこなんですけどねw

そして一応、サブヒロインでもある流々子先輩も攻略可能ですが、正直ルートというものではなくオマケに近い扱いです。
エロシーンは笑いましたが、「Strawberry Nauts」のサブルート程の出来を期待してはいけません。

そして予約特典のパッチを入れれば幽霊ちゃんも攻略可能に・・・なりますがこちらも本当オマケ程度。
かの上級生女子Cに比べるまでも無い短さです。
幽霊ちゃんは結構可愛いんですけどね。。

全体的にサブキャラの扱いは雑です。
まあ今までのせいで色々麻痺しているけどあくまでサブなんだからそれが正しいのでしょうが。。。

システム
MAP移動でのキャラ選択のみで分岐。
目当てのキャラを追っていくだけなので攻略は簡単。
ルートロックは流々子先輩のみ。
三澄ルートクリア後に攻略できます。
文化部棟の幽霊はパッチを入れないと攻略不可です。

システム面はも今回HOOKらしい演出が多数。
ですが今作は色々と突っ込みどころが多いです。
正直、正当な続編でもナンバリングタイトルでもない作品で他作品との比較をするのは正直ナンセンスだと思いますが
演出面で同じシステムを搭載しているため「Strawberry Nauts」との比較も交えながら感想を書いていこうと思います。

まず最初にゲーム環境面でのシステムについて。
正直今回のシステム周りはひどいです。
まずこれを書いている現在で出ているバージョン(1.03)の前(1.02)でプレイを始めましたが誤字脱字、台詞と音声が合っていない
セーブもしくはロードするとゲーム画面が最小化して確認ダイアログのみがデスクトップに表示されるなどなど不具合続出。
その中でも一番ひどかったのがやはり共通序盤、三澄の音声ボリューム周り。
極端にボイスが小さく他とボリューム数値を合わせると殆ど聞こえない、そのうえ個別ボリュームの反映も正しくないのか調節してもまだ聞き取りにくい。
共通を抜けると大分マシになるもののそれでも他のキャラに比べると結構小さめだったりとボロボロです。

現状の1.03をあてることで大体は修正されていますがそれでも誤字脱字はそこそこ残ってます。
また1.03パッチで修正されたところ(主に音声周りで)は既読判定が無くなるので共通で中途半端に既読スキップが止まる始末。
内部で何かあったんじゃないかと疑うくらい突貫で出した印象が拭えません。

< PIT Ver.2.0>

ではゲームステムの最初はメインでもあるPITについて。
今回最大の改善点はスレが通常画面内に常時表示が可能になったこと。
これにより画面を切り替えなくてもある程度スレを追っていけるようになったのは非常に大きい。
表示行数もある程度選択できるのも便利な点。

ただ問題点もあり表示が画面右上からのためあまり行数を増やすと右側のキャラに被ります。。
かといって行数を少なくしすぎると1回のレスで複数のコメントが付いた時に見逃す恐れがあるということ。
また1画面内で通常会話と同時進行になるので両方を見ないといけなくなってきます。
今回はレスの付き方も早く慣れてない人には疲れるかもしれません。

もちろん従来の専用画面への切り替え表示も出来るのでこちらだけで見ていくのも全然ありだと思います。

また今回より同一チャプター内のコメントは別チャプターに行くまで残る仕様になっていますがコレに関してはあまりありがたみを感じなかったような・・・
パッチ1.03の時点ではリコレクションが無いので見直しには良いですが同一チャプター限定なのでそこまで遡れず中途半端に感じます。
リコレクションは今回も追加されるのかな?
何か現状を見ると追加されないでフェードアウトしそうな気も。。。

そして前回からの改悪点としては発言にID表示がなくなったこと。
ID表示がなくなったせいで誰がどのタイミングでどんな発言をしているのかが非常に分かりづらくなりかなり不便。
常時表示の場合はスペース的に難しいかもしれないけど通常表示の時はID表示して欲しかったかなあ。

続いて掲示板の内容ですが、今回も某巨大掲示板的なノリで進み時代に沿ったネタも展開されています。
ただ、前回に比べるとシナリオや現在表示している場面に全く関係ない書き込みがかなり増えている印象。
単純にライターの力量差なのかそれとも前回で常時見られているように感じる不満意見を反映したのか。
まあ真相は良くわかりませんがそのせいで特に追っていく必要の無いスレが多くなっているのも事実。
別に意味の無い雑談を垂れ流すというのもある意味リアルっぽくて良い気もしますが
それなら別にがっつり見なくても良いよねという結論になり折角のシステムが生かされない結果に。。

もちろん、周りからの羨ましいコメントや「爆発しろ」など妬み嫉み系のコメントは多数あるので楽しめない事は全然無いですが、ちょっと勿体無いかなと。

<俺の部屋>

続いて、俺の部屋。

今回もクリア後にクリアしたメインヒロインの俺の部屋が解放されます。
コミュニケーションが4つに増えたのは嬉しいけど専用の1枚絵が無くなったのが痛いなあ・・・
あのデスクトップの壁紙にすることまで配慮された絶妙な1枚絵好きだったのに。。

あと内容についても少々。
汐路だけ俺の部屋というコンセプトから外れているように感じるのだけど管理人だけでしょうか?
そもそも前回からそうですがこのシステムのコンセプトは2人きりの空間なのですよ、それは前回も今回も公式HPのポイントに書かれています。
ですが汐路に関しては4個中3つに参宮姉妹が登場しており2人きりの空間って何?おいしいの?レベルです。(残りの1回は夢オチなので考慮しない)
シナリオの流れを考えて1回くらいならまだしも実質ほぼ全部に他のキャラが出てくるというのはどうなのかなと。
これならまだ本編で部屋にいたときのほうが俺の部屋ぽかった気がします。

なお汐路以外に関しては文句無いです。
千里はちょっと切ない描写もありますがイチャイチャしてます。
他の3人は存分にニヤニヤしましょう。


<文化部棟の王子様>

今回からの新システム。
他文化部の女の子に頼られるという今作を象徴したイベントで内容自体はなかなか良かったです。
全員モブキャラなので立ち絵もありませんが中には立ち絵が欲しいと思うようなキャラも居ましたし。
個人的には魔法使いの子が好きです。

ただイベントの選択が1-1→1-2のようにそれぞれ連動しており、続けてみないといけないのが地味に厄介なところ。
一応全部8つなのでメインヒロイン5人+ノーマルED+幽霊ちゃん+R子氏の8周で全部埋まるようになっては居ます。
が、その場合メイン以外の5人は途中セーブから開始すると回収できなくなるのが難点。
また1回目と2回目の発生時期が結構離れているため、回収忘れがあるときにスキップするのが若干面倒だったかなと。

音楽
OPは「霜月はるか」さん、EDは「鈴湯」さん
OPがとても良い曲。
通常でもそうですが千里ルートクリア後に聴くとさらに良くなります。
今考えるとOPは「虹色の季節へ」というタイトルからして千里の歌だったのかなと。

BGM曲数は32曲。
曲はそこそこ良いのですが、何か曲タイトルが随分適当なような?
ここ最近の作品ではそんなこと無かったんだけどなあ。
お気に入り曲は「虹色の季節へ」「かのこのテーマ」「三澄のテーマ」「汐路のテーマ」「日常・街」「イチャイチャ/A」「シリアス/B」
個人的キャラクター感想
安芸 かのこ
安心のナイス幼なじみかのこ。
それにしても俺の部屋で言われるまで本編でデートしていない事に気が付かなかった・・・
それくらい半同棲生活が素敵でした。

PIT内での呼ばれ方は「ほわ子」

枝那森 千里
もう何か色々とヤバイ千里。
何の問題もなくただイチャイチャさせてあげるだけではダメだったのかねえ。。。。。。
普通に可愛いのにシナリオ補正がドンと来るのでもうね。
ルートクリア後にOPをフルで聞くとこれまた・・・ヤバイ

PIT内での呼ばれ方は「えなもん」
継花 三澄
やり取りが一番初々しかった三澄。
いちいち可愛いのでトッキーがああいう風になる気持ちも分かるw
足の上に座っているCGは破壊力抜群で可愛すぎる。

PIT内での呼ばれ方は「つぎゅ or 姫」

木倉 汐路
もうお約束と言うかある意味様式美になっているツンデレさん。
デレると可愛いのまでがデフォ。
でも正直他が強すぎてあまり印象に残っていません。

PIT内での呼ばれ方は「COG」

桐理 つばさ
つばさに関しては結局クリアしても良さが分からなかったなあ。
可愛い後輩って感じもしないし・・・
ただ何がダメかって言われても即座に答えられないのが不思議。
個別入ったらもう少し何か変わるかと思いきや、他に可愛いキャラが出てきただけっていう。。

PIT内での呼ばれ方は「ピンクちゃん」

その他
メインヒロイン以外では花蓮と小糸ちゃんが良い感じ。

花蓮はつばさルート以外で登場しない分、つばさルートでの出番は多め。
攻略できないのが本当に勿体無いくらいの良い子です。
というか攻略させてください。。。
こんな可愛い後輩がサブなのは勿体無いですよ。

PIT内での呼ばれ方は「後輩ちゃん」

小糸ちゃんは色々手を出したらアカンレベルだけど可愛い。
ノーマルEDのやり取りが結構好きです。

PIT内での呼ばれ方は「妹ちゃん」

総評
単純に1作品として見ればそこまで悪い作品ではないです。
ヒロインの可愛さも堪能できたし、コンセプトである「くせになりそうなしあわせ」というのもまあ一部分では感じられたと思う。
が、PITなど「Strawberry Nauts」から大半のシステムを引き継いだせいで比較されてしまうのが一番の厳しい所。


ボロボロだったシステム面、本当にオマケ程度になったサブルート。
さらに細かいところで言えばBGMのタイトルなども今までに比べると適当につけられている感があり全体的に細かいところに手が行き届いていない印象。
単純に時間が足りなかったのか、それとも次回作の「MeltyMoment -メルティモーメント-」に大分リソースを割いているのか真相は不明だが
「Strawberry Nauts」自体がかなり過剰に力入れて作られた作品というのもあり余計に粗が目立った感じ。

良い点も多数あるけどそれらがうまく噛み合わず良さを消しちゃっている部分があるのも勿体無い。
とは言えPITの楽しさはまだまだ健在ですしヒロイン勢も可愛いので従来通りまったりイチャイチャを楽しむには良いです。(千里ルート除く)

千里ルートはもう別ゲーをやる感覚で最後推奨。
もしくはもう他のヒロインなんか知らないぜっていう覚悟なら最初でもいいかも。

「Strawberry Nauts」を期待しないことが今作を一番の楽しむコツかもしれません。

シナリオ:15 システム:16 キャラ:17 CG:18 サウンド:14  80点 A+レベル  
お気に入りキャラ

安芸 かのこ:とても安心できるパートナー

枝那森 千里:いつか虹色の季節が見える日まで…

継花 三澄:甘えられたくなる可愛さ


作品情報
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発売日
2013-8-30
メーカーHP
HOOK

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