シナリオ
「うそ」と一言で言ってもいろいろな意味があるな、と少し考えさせられる作品でした。
ネタバレになるので伏せますが終盤に出てくるある言葉には感心させられましたね。
また、体験版の時から思っていましたが「桜乃」の幻想的な雰囲気が非常に良かったです。
舞台となる「桜乃」はアキハバラ、イケブクロ、ウエノなど実在の地名で出てくるため東京在住の人には馴染み易かったり。

共通部分での日常シーンがややスベリ気味なのは気になりますが個別に入ると一気に進めやすくなります。
どのルートも話としては綺麗に纏まってはいるんですが、締めが若干甘いですね。

個別で一番良かったのは鈴ルート。
主人公や鈴の「うそ」そしてそもそも「桜乃」とは何なのかという核心に迫る部分が多数出てきます。
ルートロックが掛かっているだけあり、咲良ルートの山場が数行で片付いたりも。
後半はかなりの超展開。
OPムービーとかで荒廃した背景とか出てきたけど、まさかこういう展開だとは読めなかった。

そして咲良と母親とのやりとりがやたらアッサリしているのがちょっと納得いかなかったかな。
せめて2人が逃げた後の母親側の描写がもう少しあればまだ良かったのですが・・・
アレだけだと到底許せる気にはならないですよね。

最後は一見するとご都合主義的な感じに見えるんですが、桜乃ならアレでありなんじゃ無いでしょうか?

咲良ルートも話自体は良いです。
恋人ED側はもちろん地味に妹ED側のカラオケのシーンが好きだったり。
もちろん恋人側の咲良とイチャイチャしているのも好きですがね!
しかし演出上しょうがないとは言え、普通にボイスが出ている以上、咲良の変化がわかりづらいのが少し残念。

花珠ルートは花珠の記憶と「うそ」が中心の話。
花珠のうそについてはあれだけヒントがあると流石に途中で分かるけど話としてはなかなか。
ただ、エピローグがあまりにも急すぎたのがね。。
もう少しそこに至るまでの過程が欲しかった。

ちよこルートは1番本筋と関連が薄いルート。終わり方も結構あっさり。
そもそもちよこの「うそ」自体が他のキャラに比べると若干弱いというのもある。
ただその分キャラの掛け合いやイベントが面白いシナリオでした。
特に彩香との絡みとか良いです。サクラノケットも何だかんだと笑わせてもらったし。

まあエピローグに至るまでの過程が少なく、時間経過が早すぎるのは他ルート同様ですが。

攻略順としてはちよこ→花珠→咲良→鈴→(シスコンパッチ)を激しく推奨。
鈴ルート自体は咲良の恋人ED後にしか入れないので、必然的に咲良→鈴になりますが
前半2人はちよこ→花珠にすると桜乃の謎が少しずつ分かってきてよい感じになるかと。

シナリオ個人的評価
鈴>咲良>花珠>ちよこ
システム
ルート分岐は選択肢のみ。
数はそこそこありますが、難しい選択肢は特に無いので攻略は難しくありません。
攻略制限は鈴のみロックあり。
咲良の恋人EDを見た後に開放されます。

システム面は基本的な物は揃っているので不足は特に無いです。

それ以外では発売1ヶ月だけ配布していたシスコンパッチが特徴的。

ちなみにシスコンパッチは咲良ED後の話なのですが鈴ルートの内容も関係してくるため公式にも書いているとおり、全員終わった後に始めるのがオススメ。
イチャイチャするだけの短い追加シナリオかと思いきやシーン数3あったりと意外と(エロ方面でも)頑張っています。
本編と合わせると咲良だけ6シーンある事になるのでかなり優遇されていますね。
期間限定の配信なのが惜しいです。

音楽
OP、ED共に「花たん」さん
最初誰だ?と思いましたがどうやらニコニコ動画出身の人との事。
なんか時代を感じさせますね・・・
OPはなかなか良い曲
EDが思っている以上に明るい曲だったのはちょっと驚いた。

BGMは全25曲
長さを考えれば曲数は普通。なかなか粒揃いと言う感じでした。
お気に入り曲は「言葉繋ぎ」「桜乃 -City of fairy tale-」「すぷりんぐはずかむっ!」「Recollection」「新しき日々」

個人的キャラクター感想
春日井 咲良
今作が妹ゲーと言われる所以の兄さん大好きで甘えたがりだけど素直じゃない妹さま。
普通に可愛いですがドS。特にシスコンパッチのドS振りは凄い。
妹属性でMの人にはたまらないのでは?
橘 花珠
記憶を失った幼なじみ。
最初はお姉ちゃん、お姉ちゃん言うのが若干ウザイ感じもしたけど理由が分かった後は納得。
恋人になった後の描写もなかなか良い感じです。
天羽 ちよこ
最初はただのウザキャラですが、個別ルートに入れば可愛いです。
一緒にエロゲーやりたいw
結局最後まで終わらせてもイマイチキャラが掴みきれなかった鈴。
シナリオ上、咲良と大きく関係がありそういう風に見えているせいかな?
総評
うそつきしか入ることができない都会「桜乃」を中心に終始優しい雰囲気に包まれた作品。
「うそ」と設定が非常にうまく使われていた感じです。
タイトルも全て終わってから見ると、納得できるタイトルですね。
いろいろ惜しい点もあり物凄く感動するような話ではないですが、テーマに共感できれば何か感じ取れると思います。
シナリオ:16 システム:15 キャラ:14 CG:14 サウンド:13  72点 B+レベル 
お気に入りキャラ:橘 花珠 お姉ちゃん風幼なじみ

PCゲームレビューに戻る

inserted by FC2 system