シナリオ
まず序盤で太陽の学園と月の学園に分かれるが、太陽と月で雰囲気で大きく変わります。
太陽の学園がどちらかというと女学園が舞台の学園物に近く、月の学園は異能バトル系。
2つの学園の対比という意味ではとても良いのだが、惜しむらくは太陽側と月側でシナリオ量に差があることか。

太陽側はひかる、姉妹ルートしかないのに対し月側は憩、羽音に加え空、グランドルートも月側からの分岐になっており、太陽側の2倍近い数がある。
こういう構成なら太陽側はせめて照の単独ルートかアーリャルートが欲しかった。
太陽の学園側も魅力的なキャラが多かっただけに出番に大きく差が出てしまったのは残念。

・太陽の学園

1番あやめの女装設定が生かされていたある意味普通の学園物シナリオ。
ルート数は少ないし展開も緩やかだが終盤はグランドルートに関係する事も若干出てくるので話としては必要ではあるかな。

・ひかる&姉妹ルート

普通に学園物していたルート。
照やアーリャとの学園生活や空と照の掛け合いが普通に面白い。
そして月側と比べ生徒の皆さんが普通なので終始あやめ無双状態。
ひかるのキャラも良く、学園物好きとしてはなかなか満足のできるルートでした。

姉妹ルートは9割ひかるルートと同じで既読スキップすると9割近く飛ばせるほどの内容しかないのが残念。
EDもひかるルート見たあとだと若干物足りないか。

・月の学園

月の学園側は太陽の学園側のある種ほのぼのしていた雰囲気が無くなり、力が全て!バトル上等な世界。
序盤から結構ダークな展開が出てきます。モブの皆さんは結構色々やられちゃってますし。
今回、太陽の学園からやったのでその雰囲気の違いはなかなか良かったです。

・憩ルート

トロ先輩曰く想定外の事ということもあり、比較的あっさり終わった感じ。
盛り上がらないわけではないが、気がついたらEDでした。。

・羽音ルート

憩ルートに比べ展開が熱く魔術戦含め羽音お嬢様も格好良い見せ場があります。
そして憩先輩も後半自分のルート以上の見せ場があったりと月の学園側のメインルートとも言えるシナリオ。
また、このルートやるとお嬢様が可愛く見えてしょうがなかったです。

・空ルート

空メインのルートではあるのだが印象としてはグランドルートに向けて空の過去周りの設定を出しているだけという印象・・・
空の可愛いところがたくさん見れるという点では価値あるルートではあるのだが、どうにも通過点のように見えた。。

・グランドルート

今までの各ルートで疑問だった部分や背景にあった設定などを回収しつつ綺麗にまとめたルート。
今回分かりやすい作品と感じたのはこのルートが原因で正直全て終わった後、設定に疑問らしい疑問らしいが残らなかったです。(いつ空のときはそれなりにあったのですが・・・)

悪役が悪役ではなくある意味チートな格好良いキャラだったり、全員集合だったりと終盤は王道ながら良い展開でした。
タイトルがそんな意味だったのかーという驚きもありましたし。

そしてEDも綺麗でエピローグとかマジハーレム状態過ぎてニヤニヤしました。
強いて文句を言うならエロシーンの入れ方ですかね、このルートに限って言えば入るタイミングが最悪なので正直いらなかったとしか。

シナリオオススメ攻略順としてはやはり
太陽(ひかる&姉妹)→憩→羽音→空→グランドですかね。
後ろ2ルートは固定なのでとりあえず太陽側を先にやれば問題ないかと。

システム

分岐は選択肢のみ。
まず、太陽の学園と月の学園側に分岐する選択肢があり、その後それぞれのヒロインに分岐する選択肢が出てくる形。
選択肢自体の数は少なく分かりやすいものばかりなので攻略は簡単。
空ルートとグランドルートにはルートロックが掛かっています。

システム面は表示こそ古臭いですが基本的な物は揃っているので不足は特に無し。
演出面では魔術関連のエフェクトがなかなか良かったです。

そして今作の注目点は初回ダウンロード特典のヨダパッチとヨダ絵ムービーの「むしろもっと踏んでっ」
これらが大爆笑すぎw
このセンスは流石としか言い様が無いですね。

音楽
OP、ED共に「White Lips」
どちらも作品の雰囲気にあった曲です。

BGMは全30曲
日常の曲から壮大な曲、戦闘の曲まで様々な曲がありました。
お気に入り曲は「君の見る夢」「目覚めの足取り」「眠りの訪れ」「砂で隠した恋心」「さあ、剣を取れ!」「人が人である証明」
個人的キャラクター感想
夏日 ひかる
出番は月側ヒロインに比べると少ないが非常に良かったひかるさん。
完璧な生徒会長として姿の裏にある素のお茶目なお姉さんっぷりが可愛くてしょうがなく、おかげで太陽の学園側がより楽しく感じれました。
夏日 照
照は正直太陽の学園組のひかるさんとアーリャのインパクトが強すぎて・・・
別に悪いキャラでもないし、嫉妬だって理由さえ分かれば納得できるものなんだけどねえ。。
夕星 羽音
男前なお嬢様だったり、下ネタ全開のエロ嬢様だったり
終盤の戦闘シーンでは物凄く格好良いところを見せたり、恋心に気付いて可愛くなったりといろいろな面を見せてくれた羽音お嬢様。
自身とグランドルートは特に良い感じ。
薄々分かっていたけどこの学園に来た理由などを聞くともうね・・・
十二次 憩
引きこもりで人見知りな憩先輩。怠惰はこの人の方が似合う気もw
ダメ人間のようですが、決めるところはしっかり決めるし友達思いのとても良い先輩でした。
双見 空
弟のフリをしている妹の空ちゃん。
男の娘ではなく、男装している妹が正解。
CVふーりんの力も大きかったですが空ルート以前では日常の何気ない会話が面白く、
空ルートではいろいろな背景が分かり驚いたが、それでもやっぱりあやめ兄貴大好きっ子なのは可愛すぎるだろと。
その他
アーリャはとても良いキャラをしていたのでヒロインじゃないのはちょっと勿体無い。
アーリャ以外にもトロ先輩が攻略できないのは惜しい、特にトロ先輩は塾に居たキャラなのだからルートがあってもおかしくないと思うのだが…

そしてなにより今回のメインヒロイン主人公あやめさん。あんな格好でもちゃんと男の子。
スペック高い頼れる完璧超人(料理を除く)でかなりの良主人公。
セフィロト流武術を使いこなすだけあり戦闘でも強く太陽の学園側では無双状態。

しかし月の学園でも基本脳筋なのでチートキャラオンパレードの月の学園側だと戦闘での活躍が薄れるのが少し残念。
魔術を覚えるだけの時間が無いからしょうがないけど魔術の1つでも使って欲しかった。
もちろんそこらのモブ生徒や兵士くらいなら敵ではないし素晴らしい主人公に変わりは無いですけどね。

総評
これはなかなか良い作品。
朱門氏のシナリオと言えば難解とよく聞くがこの作品は非常に分かりやすかったように感じます。
と言っても管理人は「いつか、届く、あの空に。」しかやっていないので詳細な違いまでは分かりませんが・・・


朱門信者には物足りないのかもしれませんが普通に面白い作品でした。
ボリューム的にはそこまで無かったとは言え一気に最後まで読み進めちゃいましたし。
テーマ的には良くあるものですが、それを綺麗にまとめられており、人における神とはをメインに魔術や奇跡の捉え方等非常に読んでいて面白かったです。
特に魔術の3すくみとか魔術絡みのシーンは厨二的でもあり、かなり好きでした。
そして世界観や設定の作りこみなどは流石としか。
各キャラの名前もそうですが、今回のキャッチコピー「きっとこれは神様を○す物語」が全ルートで違った意味として活用されているのは、おおーって思いました。

体験版(出来れば太陽、月両方)プレイして世界観が合ったならプレイしてみても良いのではないでしょうか?

 シナリオ:17 システム:14 キャラ:16 CG:16 サウンド:13  76点 Aレベル 
お気に入りキャラ:夏日 ひかる 真面目でお茶目なお姉さん

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